１
キーン コ～ン カーン コ～ン
１年２組に 転校生が やっきた
「オ…オハヨ、ゴザマースッ！ボク、サムソンデース！」
２
「きゃー！サムソンさぁ、日本語がうまかね！こけきっせ すわっくいやい！」
転校生のサムソンは、いっき みんなの人気もんになりもした。
「や、やばかど、番長…。サムソンな いっき 人気絶好調じゃっど！」
「ぬぬ～。サムソンな、おいの番長ん座を よこどりする気やっどか
コラ、せいじ！まどかさぁまで サムソンに夢中やっど！」
「ほんのこて…。おいは、まどかさぁをといかえすっど！」
３
ひいやすんになっと、サムソンのまわいに みなよってきもした。
「さぁ、まどかさぁ！あっこせぇ あそっいっが！
サムソン、まどかさぁをば かえしてもろど」
「んにゃ、あっこせぇいたって、せいじさぁ。
いま サムソンさぁと かたっちょっど！」
「ま、まどかさぁ…そげん…うっ！」
４
「ぅぅぅぅぅ…急に胸が…」
せいじが あんべがわるそうに うずんまった。
「どげんしたっとな せいじ！」
「ば、番長さぁ。まどかさぁに ことわられてしもた」
「だいじょっじゃろか！？」
「胸んドキドキが おさまらんど…ぅぅ」
「んにゃ！こいは やっせん！
せいじさ 保健室に つれっいけ！」
５
「せいじ！しっかりせい！」
「まさおさぁ、飼育係やっどが。 ないか よか治し方は なかけ！？」
「ちゅ、注射をすれや よかあんべになったと ちご？」
「ちゅうしゃ～～～！！…おいは けしんのけ…？」
注射ときっ せいじは、しったい 青かなってしもた。
そんときです。
「うな！おはんたっ！先生のおらんときに なんしよっと！」
「あ！保健の先生じゃ！たすけっくいやい！せいじが！せいじがぁぁ！」
６
「まどかさぁに つんちされたら せいじさぁが あんべがわるかて…」
「とにかく みせっちくいやい」
保健の先生は、せいじの体を ひととおりチェックしました。
「どうやら体は、どげんもなかよ。
ないごて まどかさぁに つんちされたのね？」
「サムソンが転校しっきて、ちょっち あいさつしただけじゃっとに
みなの人気もんになって…。まどかさぁまで…」
「おはんたは、ないごて サムソンさぁが人気もんになったとおもちょ？
まずは、そいから かんげてみんね」
７
せいじは、そん朝んできごっを おめかいしてみた。
「じゃらい！わかった！」
「どげんした、せいじ？」
「ふふ…番長さぁ…。おいは、よかこつ おめちったど！
こいで、サムソンに かてっど！」
８
そいで つぎん朝…。
ドンドンドン、バシャーン！ドンタタタ
「オハヨーーーゴザマーーーース！おいたち あいさつ団！」
バシャーン！ バシャーン！
「みなさん！ オハヨ、ゴザマアアース！
あいさつ団長の せいじじゃっど！」
ドンツタドン！チーン！
９
「おい、せいじ。サムソンがくっど！ そいじゃ、みなで あいさつじゃ！」
ドンドン
「やぁ、サムソン！おいは わいより すごかあいさつ おめちったど！」
ダラララララ、ッタン
「オッハヨーゴザマース！オッハヨゴザマース！」
チンチンチンチーン
「オー！ウルサイデース！」
「おはんたぁ！なんしよっとね！？」
「あ、まどかさぁ！オッハヨゴザマース！」
１０
「サムソンよか おいたちのあいさつんほうが すごかどが！？
気に入ってくれたけ？」
せいじは、胸さ はってゆた。
「ないごて ばけなこつ いっちょっとね！？」
「ウゥ…ボク、ミンナト ナカヨクシタカッタダケナノニ！
ナンデ コウナリマスカ？」
サムソンは、なっながら いってしもた。
まどかは、いそったくって あとをうっかくいます。
「まっちくいな、サムソンさぁ！まっ…あっ！」
１１
ずさあああーーーー
「まどかさぁ！」
１２
あいさつ団は、はんとくって けがした まどかを
保健室につれっちった。
「まどかさぁ、すんもはん。こげんなってしもて…」
「んにゃんにゃ、でーな子たちやっど」
「先生、おいたち…。サムソンより もっとすごかあいさつをばしたら
おいたちも 人気者になるっと 思っちょった…」
１３
「よかけ、よう聞け。あいさつんゆのは、人と人とが
仲良うなるための 第一歩じゃっど。
ハロー、アロハ、ニーハオ、オラ…国や言葉がちごても
あいさつは、世界中で 人と人の心をつなぐっど。
じゃっで、あいさつは 心がこもっとうことが でしなこっじゃっど。
サムソンさぁは、なれん日本語じゃっどに 勇気をだしっせ
みなに あいさつしたんじゃっど。そいが みなに 伝わったで
仲良うなれたんじゃっど。」
１４
「じゃったか！」
「おいたち なんちゅうこと してしもうたんじゃろう」
「ただ おいも みなと 仲良うしごうて…」
「ボクモ ソウナンデーッス！」
１５
「そ、そん声は…」
「サムソーン！じゃっどん、どげんして ここにおっとけ！？」
「サムソンさぁは、みなに 気持ちが伝わらんくて
あんべがわるかて、保健室に来ちょったど」
「オハヨーゴザマス ハ、ボクガ ハジメテ オボエタ ニホンゴ。
ミンナト ナカヨク シタ～イ」
１６
「おいたちが わいかった。すんもはん！サムソン」
「じゃ！サムソンも あいさつ団に いっちょいな！」
「いっどき ともだっを ずんばい つくっど！」
「オー、ミナサン。アリガトゴザマース」
「んにゃんにゃ。おとこんしは 単純じゃらい」
「あら、まどかさぁたら…ふふふ」
１７
そいで 次ん日。
わんぱく小学校の校門ん前では
元気にあいさつをする みなのこっが こだましちょいもす。
「オハヨーゴザイマース！」
「おはよーサムソンくん」
「おはよーございまーす！」
「おはよう、あいさつ団！」
